2009年11月02日

改正労基法D時間単位の年次有給休暇付与

 現在の労基法では、年次有給休暇は日単位のみ(労働者が希望し使用者が同意した場合は半日単位も可)での付与とされていますが、今回の改正により、労使協定を締結すれば、年に5日を限度として、時間単位の年次有給休暇の付与が認められることになりました。

<労使協定で定める事項>

@時間単位年休の対象労働者の範囲
 …対象になる労働者の範囲を定めるが、一部を対象外にする場合は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られます(取得目的で対象範囲を定めるのは×)。

A時間単位年休の日数の範囲
 …5日以内の範囲で定めます。ただし、前年度からの繰越がある場合であっても、繰越分を含めて5日以内になるので注意してください。

B時間単位年休の1日の時間数
 …1日分の年次有給休暇に相当する時間数を、所定労働時間を基に定めます。なお、所定労働時間が分単位までで定められている場合、時間単位に切り上げられて計算されます。
 
例:1日の所定労働時間が7時間30分の場合
   →1日8時間として計算され、年間の時間単位年休を5日分として定めた場合、日×8時間=40時間まで、時間単位の年休取得が可能。
 
  日によって所定労働時間数が異なる場合は、1年間の1日平均所定労働時間数を基にします。 

C1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
 …付与する時間の単位を1時間以外に設定する場合は、その時間数を定めます。(2時間とする場合等)  
  
******************************************************************
 
 5回にわたって改正労基法の概要をお知らせいたしましたが、いかがでしたでしょうか?

 改正に伴い就業規則の変更や労使協定の締結が必要になる場合もありますので、ご不明な点等はお気軽に当事務所までメールでお問い合わせください。

 なお、厚生労働省のHPにも「改正労基法の質疑応答」が掲載されていますので、ご覧ください。


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2009年10月16日

改正労基法C代替休暇制度

 前回の記事で、平成22年4月からの労基法改正により「月60時間を超える法定労働時間外労働に対して5割増以上の割増賃金を支払わなければならない」と書きましたが、引上げ分の割増賃金の代わりに有給休暇を付与する(=「代替休暇」)ことで対応することも可能です。
 なお、代替休暇を与える場合であっても、月60時間を超える法定時間外労働に対しては、最低でも従来分(最低2割5分増)は賃金で支払う必要があります。

<代替休暇制度のポイント>
 代替休暇制度を導入するためには、以下の点を労使協定で定める必要があります。

 @代替休暇の時間数の具体的な算定方法
  代替休暇数の時間数=(1ヶ月の法定時間外労働時間数−60)×換算率
  換算率=代替休暇を取得しなかった場合の割増賃金率−取得した場合の割増賃金率
   ※代替休暇を取得しなかった場合の割増賃金率=5割増以上、代替休暇を取得した場合の割増賃金率=2割5分増以上で労使で設定
 ※換算率を低くすると、賃金として支払う部分が大きくなる代わりに代替休暇を与える時間数が少なくなります。

 A代替休暇の単位
  代替休暇は、原則として時間単位での取得が認められておらず、11日、半日、1日または半日のいずれかによって与えることとなっていますので、労使協定もこのいずれかの与え方を定めることになります。
 ただし、端数が出てきた代替休暇を、他の有給休暇制度(例:時間単位の有給休暇制度★)とあわせて取得することを労使協定で認めていた場合、代替休暇と他の有給休暇の制度とあわせて1日または半日の単位の有給休暇を与えることもできます。
 
 ★時間単位の有給休暇制度の詳細は次の記事で紹介します

 B代替休暇を与えることができる期間
 代替休暇は、法定時間外労働が月60時間を超えた月の末日の翌日から2ヶ月以内の2ヶ月間以内の期間で与えるよう定めます。
 付与期間が1ヶ月を超える場合、1ヶ月目の代替休暇と2ヶ月目の代替休暇を合算して取得することも可能です。
 なお、代替休暇を取得するはずだった労働者が結局取得しなかった場合は、当然のことながら代替休暇を取得しない場合の割増賃金を支払わなければならないので、差額精算をする必要が出てきます。

 C代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日
 代替休暇の取得は労働者が決めることで、かつ取得日自体も基本的には労働者の意向を踏まえることとなっています。
 そのため、早期に賃金支払額を確定させてトラブルを防止するためにも、「代替休暇を取得する場合、いつまでに申し出るのか、割増賃金の支払日はいつになるのか」を労使協定で定めておく必要があります。

 
 この「代替休暇制度」は、労働者の健康を確保する観点からも、うまく使えば有用な制度になるかと思います(会社の割増賃金負担も減る可能性がありますし…)。
 ただ、取得状況の管理や賃金計算が煩雑になる等、面倒な点も多いかと思います。

  
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2009年10月07日

改正労基法B月60時間を超える法定時間外労働の割増率と中小企業の猶予

 平成22年4月から、月60時間を超える法定時間外労働分については、50%以上の割増率で計算した賃金を支払わなくてはなりません。

 ただし、この制度は、中小企業に対しては当分の間適用が猶予されることになっています。

 ここでいう「中小企業」とは、以下の条件に該当する企業等を言います。


a 小売業:
   資本金の額若しくは出資の総額が5000万円以下又は常時使用労働  者数が50人以下である場合
b サービス業:
   資本金の額若しくは出資の総額が5000万円以下又は常時使用労働  者数が100人以下である場合
c 卸売業:
   資本金の額若しくは出資の総額が1億円以下又は常時使用労働者数が100人以下である場合
d その他の業種:
   資本金の額若しくは出資の総額が3億円以下又は常時使用する労働者数300人以下である場合


なお、この定義はあくまでも「企業単位」で適用されるものであり、「事業所単位」ではないのでご注意ください。

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2009年10月04日

改正労基法A限度時間を超える時間外労働の割増賃金率

 法定時間外労働を行わせるためには、@1日 A1日を超え3ヶ月以内の期間 B1年間 のそれぞれの期間ごとに、法定時間外労働を行わせることのできる時間数を労使で協定しなければなりません。 

 法定労度時間を超えて労働させることのできる時間数は、「時間外労働の限度に関する基準」(平成10年労働省告示154号)により、各期間ごとに一定の限度時間が設けられています
(例:1年変形以外の場合→1ヶ月45時間、1年360時間 …等)。

 ただし、繁忙期の場合など、臨時的に特別な事情がある場合に限り、労使で「特別条項付き36協定」を結ぶことで、一定期間は限度時間を超えて働かせることが可能です。

 平成22年4月からは、この「特別条項付き協定」を締結する場合を対象として、以下の改正が行われます。


<特別条項付き協定を締結する場合の改正ポイント>

@限度時間を超えて働かせる期間(1ヶ月を超え3ヶ月の期間及び1年間)ごとに、割増賃金率を定めること

 A@の割増賃金率を2割5分を超える率とするよ努めること
 
 Bそもそも延長することができる時間数を短くするよう努めること



 AとBは努力義務ですが、@は義務ですので、平成22年4月以降に労使協定を締結する場合、期間ごとの割増賃金率も定めなければならなくなります。

 なお、こちらの改正は、中小企業の猶予措置はとられていません…。

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2009年09月30日

改正労基法@平成22年4月からの改正ポイント

 すでにご存知かと思いますが、平成22年4月から労基法が改正されます。

 <今回の改正の主なポイント>

 1.限度時間を超える時間外労働に対する割増賃金引き上げ努力

 2.月60時間超の法定時間外労働に対する割増率を50%以上にする
   (中小企業に対する猶予措置あり)

 3.2により引き上げられた割増賃金の代わりに有給休暇を付与する制度(=代替休暇)を設けることが可能

 4.労使協定による時間単位の年次有給休暇付与が可能になった


 …ポイントとして書くとこれだけなのですが、実際に運用していくとなると、単なる賃金増だけにとどまらず、管理面でもかなりの負担が予測されます。

 次回の記事からしばらくは、この「改正労基法」について少し詳しく書かせていただきます。

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2009年09月04日

出産育児一時金の支給額・支給方法の改正

 平成21年10月1日から、出産育児一時金の支給額・支給方法が変更になります。

<支給額>
 平成21年10月1日以後に被保険者や被扶養者が出産した場合
 
 ⇒42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関等での出産の場合39万円)

<支給方法>
 平成21年10月1日以後に被保険者や被扶養者が出産した場合

⇒出産費用に出産育児一時金を充当できるよう、医療機関に対し直接
支給
 
 ※出産費用が出産育児一時金に満たなかった場合は、医療機関の方から差額が被保険者に支払われます。
 ※従来どおりの直接の出産育児一時金支払いの形式を希望する場合は、出産後に請求することも可

 詳細は⇒厚生労働省:出産育児一時金の見直しについて

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2009年09月03日

地域別最低賃金額の改正

 平成21年10月からの地域別最低賃金の改正の答申状況が厚生労働省から発表されています。

 これによると、

 東京都:791円
 神奈川県:789円
 埼玉県:735円
 千葉県:728円

となっています。

 その他の地域の答申状況は
厚生労働省: 平成21 年度の地域別最低賃金改正の答申状況について
をご確認ください。

<最低賃金を超えているかどうかのチェックシステム>
厚生労働省: 最低賃金比較計算システム

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2009年07月31日

過去最悪の有効求人倍率0.43倍、完全失業率も5.4%に

 厚生労働省の発表によると、6月の有効求人倍率(季節調整値)は、0.43倍となり、1963年1月に統計を取り始めて以来の最低水準を更新しました。

 また、総務省統計局が31日公表した労働力調査速報によると、6月の完全失業率(季節調整値)は5.4%となり、5カ月連続で上昇しています。

 これらの数字には含まれていませんが、実際には雇用調整を実施している企業も相当数あることを考えると、雇用情勢は非常に厳しい状況にあるといえます。

 昨日の夕刊には、「鉱工業生産指数が前期に比べて上昇した」とのニュースが掲載され、経済産業省も「精算は持ち直しの動きで推移している」旨のコメントを発表していましたが、雇用情勢は持ち直しの気配を感じませんね…。

一般職業紹介状況(平成21年6月・厚生労働省発表)

労働力調査(基本集計)平成21年6月分(速報)

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2009年07月13日

「緊急人材育成・就職支援基金」による実習型雇用支援事業が開始

 「緊急人材育成・就職支援基金」による中小企業等雇用創出支援事業(実習型雇用支援事業)が7月10日から開始されました。

 この制度は、十分な技能や経験を持っていない非正規の離職者を、「実習型雇用」により受け入れる中小企業等に対して、実習型雇用とその後の正規雇用の支援を国が行うものです。

 助成内容としては
  @実習型雇用期間(6ヶ月)…1人につき月10万円
  A実習型雇用終了後の正規雇用…1人につき月100万円
  B正規雇入れ後の教育訓練…1人あたり上限50万円


 この制度を使うには、事業主は、ハローワークに実習計画書を提出し、ハローワーク及び(財)産業雇用安定センターの確認を受ける必要があります。

 また、実際に実習型雇用により雇い入れる場合は、ハローワークからの紹介でなければ、対象になりません。

 実習計画書及び助成金申請の受付は、ハローワーク及び(財)産業雇用安定センター都道府県事務所にて、7月31日から開始されます。

 詳細は→実習型雇用支援事業について(厚生労働省発表)
 

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改正入管法が成立

 8日、改正入管法が成立しました。

 改正内容の主なポイントは

 @「在留カード」の創設
  ・外交・公用を除く在留資格での中長期滞在者に対して交付
   (氏名・生年月日・住居地等が記載)
  ・「在留カード」記載事項のほか、雇用先の変更や身分関係の変   更があった場合、届出が必要
  ・虚偽の住居地や配偶者の身分を有する者としての活動を継続して3月以上行わなかった場合等を取消事由に追加
  
 A適法に在留する外国人の利便性向上措置
  ・在留期間の上限を3年から5年に延長
  ・再入国許可の有効期間を3年から5年に延長し、有効な旅券・在留カード所持者の再入国許可の有効期間を3年から5年(特別永住者は4年から6年)に変更し、1年以内の再入国許可不要
  ・特別永住者証明書の発行

 B在留資格「技能実習」の創設
  ・在留資格「研修」の活動のうち実務研修を伴うものについては、労働関係法令の適用を可能にし雇用契約に基づき技能習得を行うため、在留資格「技能実習」を創設。
  ・悪質ブローカーに対処するための退去強制事由の整備

 C在留資格「留学」「就学」の統合

 なお、この法改正は、3年以内に実施される予定です。

 私は研修・技能実習制度が得意分野ともいえるのですが、実務研修を伴う「研修」が「雇用関係のもとに行われる「技能実習」」となると、
労働保険・社会保険も適用になるわけで、企業負担はさらに増す…というわけです(でも、「研修生保険」への加入義務はなくなるはずですが…)。
 受入れを行っている「団体」も、職業紹介の許可を取る必要が出てきますし…激変です。

 議案の詳細→参議院ホームページ


改正の概要(法務省入国管理局)→
出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の概要

 改正条文→平成21.7.25官報号外

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